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2026年11月6日 金曜日
サイエンス

【実話】踊りが止まらない…人々を死ぬまで踊らせた謎の病「ダンシング・ペスト」

食べ物が原因だった可能性は?

最も有名な説のひとつが、ライ麦などの穀物に生える菌「麦角(ばっかく)」です。

麦角は、麦角アルカロイドに由来する強力な化学物質を生み出します。その中には、LSDに関連する化合物も含まれています。汚染された穀物を一定量以上食べると、「麦角中毒」と呼ばれる深刻な中毒を引き起こすことがあるのです。

その症状は、ぞっとするほど恐ろしいものです。

けいれん性の麦角中毒では、激しい筋肉のけいれん、震え、発作、そして自分の意思と関係なく体が動いてしまう症状が起こります。幻覚や錯乱、激しい精神的な混乱を経験することもあります。別のタイプでは手足への血流が妨げられ、組織の壊死や壊疽(えそ)を引き起こすこともあります。

中世ヨーロッパでは、特に汚染された穀物が食料として出回った時期に、麦角中毒の発生が記録されています。2025年に発表された麦角中毒の歴史に関する考察では、中世ヨーロッパでこうした発生がいかにありふれていたか、そして報告された症状のいくつか――けいれん、幻覚、壊疽――がこの病気に関する記述といかによく一致しているかが指摘されました。

一見すると、麦角はストラスブールの出来事を説明する完璧な答えに思えます。

人々は飢えていました。ライ麦は重要な食料源でした。そして汚染された穀物は、体が勝手に動いてしまうような神経症状を引き起こす可能性があったのです。

しかし、ひとつ問題があります。